東谷釣行…1

 

結局は一人で行くことになってしまった、、、。

 

 重いザックを背負って急な山道を喘ぎながら登った。重いと言っても
約30kgだが、私にとっては充分重かった。

60リットル大型ザックには、ハーケンほか登攀用具一式、10㍉40m
ザイル、テント、シュラフ、食料、カメラ、釣具一式、自炊用具一式、
アタックザック、衣類、その他を詰め込んでいた。

その重さは肩に食い込み、立ち上がって調子を整えないとふらついて

普通に歩けない。しばらく歩き続ければ身体がバランスを取ってくれて、
なんとか歩けるようになる。

ベテランの登山家が50・60kg を背負って、すいすいと歩いている
姿を見るにつけ、彼等は 「慣れている」 とは思うが、自分の体力と
比べて大きな隔たりを感じた。

私はそれでも、ザックの中身は必要最少の用具に絞っていた。苦肉の
策でどうしても必要な物だけを撰んだ。

衣類の畳み方も考えて、できるだけ容積を少なく、また、同じ用途なら
軽い材質のもの、他のもので兼用できるものは持たない、食料も少なめ、
などの工夫をしていた。

繰り返し挑戦して得た苦い体験のささやかな知恵である。

振返えれば、今日の山行きは、5度目・5年目・連続5回目の挑戦で
あった。あるキッカケから「一つの目標」に向かって邁進する事に
なってしまったのである。

それはあたかも、何かに憑かれたような、引き寄せられるような、
不思議な感覚だった。

 

 

 

 登山道の途中から見える雪渓

 

 

 

 

 




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